もう「トクホ」、「機能性表示食品」のコトバだけじゃ売れない
2015年11月2日
こんにちはお総菜行政書士の加藤智成です。11月に入り、めっきりクリスマスモードが加速してきました。「クリスマスケーキの予約はもう終わりましたか?」「人気商品はお早めに」ってスーパーで言ってました。まだ先のことでピンと来ませんが、もうそこまで季節が来ている事を実感します。それでは、今週もお付き合い下さい。
トクホと機能性表示食品を気にせず買ってない?!
2015年10月26日掲載の日経流通新聞「日経Mj」一面記事にありました。消費者が商品の選択の際に「トクホ」と「機能性表示食品」の違いにはあまり気にしていないことが記事に書いてありました。
トクホと機能性表示食品についての説明は当事務所の7月27日更新のブログでご確認ください→「http://www.tomonari-kato.com/blog/2015/07/27」
新聞記事の中では「トクホ」や「機能性表示食品」と言うコトバは消費者にはあまり意味の無いコトバで、
コレを食べたら「体の何に効果があるか?」に興味があって、店頭のPOPや商品パッケージの見出しに消費者は興味があるらしいです。
アルコール飲料での分野では、売れ行きの差が顕著にでているようで、トクホよりはパッケージの「プリン体ゼロ」や「カロリーゼロ」のコトバに関心を持って商品選択の決め手になっているようです。
トクホをわざわざ取得する意味って?
商品を製造するメーカーの目線からして、ちょっとおもしろい話を聞きました。先日機能性表示食品のセミナーにお邪魔した時に講師の先生から伺ったコトバで
「トクホは、限られた効能しか謳えないし、許可が出るのに2~3年かかり、メーカーから見て使いづらい制度」
とおっしゃっていました。
そうなんです。トクホは決められた効き目のある成分しか使うことができず、決められた効用しか訴求できないのです(表参照 東京都福祉保健局のweb「東京都の食品安全情報サイトより)
これまでに認められている主な保健の効果の表示 | |
表示内容 | 保健機能成分(関与成分) |
お腹の調子を整える食品 | イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、キシロオリゴ糖、グアーガム分解物、サイリウム種皮、ビール酵母由来の食物繊維、フラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、ラクチュロース、寒天由来の食物繊維、小麦ふすま、大豆オリゴ糖、低分子化アルギン酸ナトリウム、難消化性デキストリン、乳果オリゴ糖、ビフィズス菌、乳酸菌等 |
血圧が高めの方に適する食品 | カゼインドデカペプチド、かつお節オリゴペプチド、サーデンペプチド、ラクトトリペプチド、杜仲葉配糖体 |
コレステロールが高めの方に適する食品 | キトサン、サイリウム種皮由来の食物繊維、リン脂質結合大豆ペプチド、植物スタノールエステル、植物ステロール、低分子化アルギン酸ナトリウム、大豆たんぱく質 |
血糖値が気になる方に適する食品 | L-アラビノース、グァバ葉ポリフェノール、難消化性デキストリン、小麦アルブミン、豆鼓エキス |
ミネラルの吸収を助ける食品 | CCM(クエン酸リンゴ酸カルシウム)、CPP(カゼインホスホペプチド)、フラクトオリゴ糖、ヘム鉄 |
食後の血中の中性脂肪を抑える食品 | ジアシルグリセロール、グロビン蛋白分解物 |
虫歯の原因になりにくい食品 | マルチトール、パラチノース、茶ポリフェノール、還元パラチノース、エリスリトール |
歯の健康維持に役立つ食品 | カゼインホスホペプチド-非結晶リン酸カルシウム複合体、キシリトール、マルチトール、リン酸一水素カルシウム、フクロノリ抽出物(フノラン)、還元パラチノース、第二リン酸カルシウム |
体脂肪がつきにくい食品 | ジアシルグリセロール、ジアシルグリセロール植物性ステロール(β-シトステロール) |
骨の健康が気になる方に適する食品 | 大豆イソフラボン、乳塩基性タンパク質 |
それに比べて「機能性表示食品」では、食品の効能を示す科学論文を探してきて効き目が証明されれば、どんな効能でも訴求でき、臨床試験を必要とせず、論文さえ用意できて、認可がおりるまでの期間が半年くらいと、トクホと比べて格段に短いので、その点でも機能性表示食品が商品化にしやすいとされているのです。
まとめ
売り手側からの目線では・・・「トクホ」「機能性表示食品」のコトバだけでは、お客さんへの訴求はもう常識で、もう一歩進めて、その商品を買って食べることで「体のドコに効くのか?」「食べたらお客さんはどんなメリットがあるのか?」をアピールできる商品がお客様から支持される商品になれそうですね。