行政書士への報酬は源泉徴収するの?しないの?
2015年9月14日
お総菜行政書士の加藤智成です。先日、ウエブデザイナーさんへ仕事を依頼して報酬をお支払いする事がありました。源泉徴収についての疑問が湧いたので、親友の税理士さんにもお知恵を拝借したので、そのことについて、ちょっとおさらいです。
私は税理士ではありませんので一般的な税制度についてのおさらいです。
(業際なので、あまり変なことを書くと税理士さんにおしかりを受けるので、あくまでも一般論です。詳細は税理士さんへご相談を・・・)
士業の報酬へ源泉徴収とは どんな制度・・・?
会社や個人事業主が従業員に給料を支払う時や、個人事業主さんへ仕事の報酬をお支払いする時に、所得税分(復興特別所得税分を含む)を差し引いて、天引きした分を国に納める制度です。
原則として
①誰が源泉徴収をするのか?・・・
源泉徴収義務者(いわゆる報酬から天引きする人)と言って、報酬や給料を支払う側の会社や個人事業主です(教育機関も含まれます)
②どんな報酬や給料を支払ったケースで源泉徴収が適用されるのか?・・・
報酬を支払った相手先の業者さんが個人事業主さんであって下記の職業の仕事を依頼したケース
(1)原稿・挿絵・写真・作曲・各種デザインや文章の作成
(2) 弁護士、公認会計士、税理士、投資顧問業者、計理士、会計士補、社会保険労務士、弁理士、中小企業診断士、司法書士・土地家屋調査士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士の業務に関する報酬
(3)スポーツ選手、モデルの報酬
(4)マスコミの出演料、ホステス・コンパニオンさんへの報酬
上記以外にもケースがありますが、本題から逸れるので割愛します。
③いつまでに国に納めるのか・・・
源泉徴収した所得税は、「報酬・料金等の所得税徴収高計算書」を使って、報酬を支払った月の翌月10日までに、最寄りの金融機関(銀行、郵便局等)又は所轄の税務署の窓口で納付します。
④いくらを源泉徴収するのか・・・
支払う報酬が100万円以下ならば
報酬×10.21%=納付金額 です。
ここで例外が・・・
原則に対して、例外があります。
a. (2)の中には「行政書士の業務」が含まれていませんので報酬金額を全額お支払いしてもかまいません。(理由は諸説ありますが、他士業に比べて単価が安いからとか、国税庁の行政書士に対する嫌がらせとか、行政書士の業務形態として件数をこなす業務案件が多いため、いちいち源泉徴収にするのが面倒だからとか・・・?)
b. お手伝いさんみたいな家事使用人さんを2人以下で雇っている人や、サラリーマンだけど確定申告の時に税理士さんに支払う報酬のケースは源泉徴収しなくてもよく、報酬を全額お支払いすれば良いケースがあります。
注意点として・・・
もしも、源泉徴収をし忘れて、請求金額をそのままでお支払いした場合は、報酬を支お支払いする側が納付する義務がありますので、支払った側で正確に納付してください。
と言うことは・・・
1.報酬を支払った相手方に「源泉徴収分を返してください」か「次回の取引で今回分の源泉徴収分も併せて引きます」と交渉する (現実的には厳しいでしょうか?)
2. 源泉徴収分は、支払った会社で損を被る (金額が多いと厳しいですね)
いずれにせよ、キチンとした処理をしないと、税務署から指摘されたら延滞税などを負担する可能性も出てくるので、迅速・正確に処理が必要ですね。
つまり・・・行政書士の報酬には
前述のとおり、行政書士の報酬には源泉徴収が必要ないので請求金額通りに報酬を支払っても構いません。行政書士としてもお客さんに請求書を用意する際は、「行政書士の報酬に対して源泉徴収をする必要はございません」等とひと言添えると良いかもしれませんね。